役職や資格、年齢なども関係なく、明確な領域がはっきりしないままに同じ内容の仕事をするのは、介護という独特の世界ならではのように感じます。
色々な人がいるからいろんな意見があって当然だ、と思えると楽なこともあるのですが・・・。
自覚はないのかも?!
介護職の女の人って気が強い!みたいなイメージがありませんか?たしかにそういう方にも出会ったこともあります。私は30代後半でこの仕事につきました。私の勤めた施設は、比較的若いスタッフが多く、また自分と同じ世代も多かったことから、働きやすそうだなとホッとした覚えがあります。
ただ気をつけなければと感じたのは、新人である自分のほうが年上であるため、若い人が気を遣って注意しにくいだろうから、そこは自分を振り返ることを忘れてはいけないといつも考えて働いていました。注意されにくい立場を利用してあぐらをかくようになってはおしまいです。しかし残念なことにそういう働き方をしている方もいらっしゃいます。
離職理由はさまざま
もともと働いている人数がかなり多かったのですが、最初の1年半の間に100人以上のスタッフが辞めていきました。
辞める理由が「ほかの施設を経験してみたい。」や「資格が取れたから。」と前向きな理由もあれば、突然来なくなるというスタッフもいました。
そういうスタッフの中には、元気に振る舞っているものの、どこか疲れているというか、危うさを感じることも少なくはなかったです。私にはそれが本音を言わない、相手に合わせてしまう、いわゆるいい人タイプに見受けられました。
仕事自体が人間相手中心ですから、スタッフ間でも合わせすぎてしまうと、知らない間に自分自身が疲れる原因にもなるでしょう。そういう時は愚痴も含めて、自分の思いをちゃんと言える人間関係があれば少しは違ったのではと、残念に思うこともありました。
基本は自分からの挨拶!
私のモットーは
『挨拶は自分から』
と
『三人行えば必ず我が師有り』
です。
なぜか新しく入ってきた人に対して、「あの人は挨拶がないよね。」などと最初から悪くとるという人は、どこでも、どの世代でも一定人数はいるようです。
年齢や立場に関係になく自分から、それも元気に挨拶をするということを心がけるだけです。電話を受けた時の「もしもし」というテンションと声、と言えばわかりやすいでしょうか。
返事が返ってくる、こないはどうでもいいのです。たとえちゃんと返事が返ってこない相手でも、3回目を過ぎたあたりから反応も少しずつ変わってくるようです。挨拶ひとつで変な誤解をされるより、挨拶ひとつでいい誤解をされるほうがいいのではないでしょうか。
実のところ私は小心者ですが、要は開き直りです。
悲喜こもごもな人生の集まり!?
先ほども触れましたが、どうしても働いているように見えないスタッフもいます。また家でのふるまいをそのままに職場でも?という方もいました。この点を伝えるのは難しいのですが、「私も頑張っている!」という自分の振る舞いが見えていない言い訳をされることもありました。
そういう方には、その行動が利用者さんのニーズに合っているかを考えてみてと伝えることにしていました。機嫌が悪くなるスタッフもいますが、伝えたあとは本人に任せて、自分は自分の仕事に集中しました。
積極的に仕事をしていなくても、例えば利用者さんに対して優しいのであれば、それはそれで認め、いいことはすぐに伝えています。褒められて嬉しくない人はいませんから。
そういった積み重ねがあって、言葉使いがきつい方に対しても、その言い方はどうだろうと伝えることもできたのです。それでもきついようならもう仕方がないです。そのことは気にしないように心掛け、その人の良いところをみつけました。その方は、持ち上げると意外にテキパキと働いてくれるということがわかり、いろいろとお願いすることができました。
自分を盛り上げるのは自分
そういえば防衛策として「私、口が軽いんで。」と言っていました。寂しく思うこともありますけど、余分な話を聞いて巻き込まれなくて済むという利点があります。
心が疲れると、体が疲れた時よりも動けなくなります。介護はチームワークが必要で、人間関係もいい方がいいに決まっています。もし本当にそこが嫌ならやめたらいいのです、自分に合う場所がきっとあります。
心が疲れた時には柔軟な考え方ができなくなり、やはり頭が硬くなります。現場で働きながら話し合うことは難しいですが、そういうときこそ持ちつ持たれつを思い出してほしいのです。
瞬発力でいえば若い人が得意ですし、重いものなら男性スタッフに頼めばいいのです。そのかわりに自分のできることは積極的動いていくことで、いい相乗効果も生まれるのではないでしょうか。
ライタープロフィール
おちゃみ
ワープロ、パソコンのインストラクターから介護士へ。
養護老人ホームでは、介護福祉士の資格を取得し、4年半ほど勤務。
祖父母の介護を10年以上し、自宅で看取った経験を持つ。