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介護職が教える!「若年性脳梗塞」を知ろう

2018年1月16日 13:49

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脳梗塞というと、高齢者や高血圧などの持病を持つ人に多く発症するイメージがあります。しかし、持病のない40歳代でも発症することを知っていますか?私の夫は喫煙もせず、高血圧などの持病がないにも関わらず、42歳の時に脳梗塞になりました。そこで今回は、若年性脳梗塞について、私の体験も踏まえてお伝えしていきます。

若年性脳梗塞について

若年性脳梗塞とは、45歳以下で発症した脳梗塞のことを言います。一般的に脳梗塞は高齢者に多い病気と言われ、60歳代以上の発症率が高くなっています。しかし最近では40~50歳代の働き盛りに発症する例が増えています。

若年性脳梗塞の原因は、高血圧や糖尿病などによる動脈硬化や、不整脈などの心臓疾患に関わるものが多くの割合を占めています。また、女性の場合は妊娠に伴う脳梗塞を起こすこともあり、特に妊娠中期から産後6週間にかけて時期に発症すると言われています。また、家族に脳卒中や心臓病にかかったことがある人も若年性脳梗塞のリスクが上がるため、注意が必要です。
高齢者が脳梗塞になった場合に比べ、若年性脳梗塞患者の多くは社会復帰率が高くなっています。厚生労働省によると、就労可能な年代の脳卒中患者のうち、発症者の約7割が介助を必要としない状態まで回復しており、最終的な社会復帰率は50~60%と実に多くの人が社会復帰を果たしていると言えるでしょう。

若年性脳梗塞を発症した夫の場合

私の夫は42歳の時に脳梗塞になりました。当時の夫はとても多忙で、年間休日は10日ほど、毎日の平均勤務時間は10時間を超えていました。しかも、発症した日はゴールデンウィーク真っ只中で、家族サービスのために二日間での睡眠時間はわずか3時間程度という状況でした。夫の仕事は夜がメインの店を経営しています。常連のお客さんも多く、発症した時間にも接客をしていました。ただ、一般的に言われる頭痛や舌のもつれ等の症状はなく、明朗な口調でおかしなことを話したという程度でした。その場にいた誰もが、まさか脳梗塞を起こしているとは思えない状況だったのです。その次の日の朝に私と普通に会話をした時も、何の異変もありませんでした。その後、自室で丸二日寝ていたのですが、それまでの睡眠時間や勤務状況を見ると、単に疲れているだけだろうと思っていました。
しかし、同じ体制で寝ていることを不思議に思い、起こしてみると目線がおかしい、ろれつが回っていない、と言った脳梗塞特有の症状が見られ、救急搬送し緊急入院となりました。

その後の夫の様子

夫は脳梗塞発症から時間が経っていたため、手術対象にはなりませんでした。点滴治療を行い、本人の希望もあり2週間程度で退院、発症から1カ月後には職場復帰しました。大きな血管が梗塞したわりに、身体的な麻痺も構音障害もなく日常生活に大きな影響はないように思いました。しかし、視野の欠損や空間認知力が悪くなったり、騒がしいところでの会話が聞き取れないといった症状や短期記憶障害もあったことから、高次脳機能障害と診断されました。また、発症から1年後にはてんかん発作も起こるようになりました。現在は服薬治療を行い、症状は抑えられています。

まとめ

夫の発症当時、すでに介護職として働いていた私でも、夫の異変に気付くことはできませんでした。それは、夫の症状が一般的に知られている脳梗塞の初期症状とは違っていたことや、脳梗塞になるには若すぎると思っていたからです。もし私がもっと早く異変に気付いていれば、後遺症なく過ごせたかもしれません。しかし、過去を変えることはできません。今の私にできることは、多くの人に若年性脳梗塞を知ってもらうことです。脳梗塞の初期症状は、頭痛や舌のもつれ、手足のしびれだけとは限りません。もし身近な人の「ちょっとおかしい」ところに気付いたときには、できるだけ早い受診を勧め早期治療につなげるようにしましょう。

ライタープロフィール

中村 楓
フリーターから介護の世界に入り、3年の経験を経て介護福祉士を取得し、今年で介護職は13年目。
2度の産休育休を挟みながら、介護の知識や技術を学ぶため、福祉住環境コーディネーター2級を取得。また、ポジショニングや口腔ケア、認知症介護実践者研修など多数の研修にも参加している。
今後は介護支援専門員を目指して勉強中。

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