デイや施設の介護職員のみなさんにとって、レクリエーション活動はなくてはならないものです。今回はそんな方々の参考にしてもらおうと、私が働く事業所のデイスタッフにインタビューしました。
春のテーマ(4月・5月)
春と言えば「さくら」「端午の節句」ですね。
1. 巻き巻き花より団子ゲーム
まず新聞紙で筒を作り、長い反物のような形に作っておきます。そこに予め利用者様に作ってもらった折り紙やさくらの貼り絵などを反物の内側に貼り付けておきます。
利用者様は自分で作ったものがレクに出てくると、「あら、これ私が作ったのよ」と喜んで参加してくれるそうです。ゲームは2人ずつ参加してもらい、膝の上でどちらが速く巻けるかを競います。反物の外側は海苔に見立てて黒く塗ってあるので、巻き終わるとあ～ら不思議、巻き寿司に大変身です。
但し、注意したいのが夢中になりすぎるとついつい前傾姿勢になってしまい、椅子や車いすから転倒する可能性があるので必ず職員は後ろについて対応します。
2. こいのぼりを揚げようゲーム
利用者様で予め作ったこいのぼりに紐をつけておきます。横にロープを張り、縦にこいのぼりがついている紐を十字に垂らすようにして何本も並べておきます。利用者様が見やすいようにこいのぼりが天高く舞い上がる予定でしたが、チームによってはハンガーにかけた服が揚がってしまい思わず笑いをとることができました。
3. お手玉送り歌ゲーム
用意するものはお手玉だけ。みんなでこいのぼりの歌を一緒に歌います。2列に向き合って座ってもらい、歌詞の中で「い」が出てきたら右の人へお手玉を送り、「お」が出てきたら今度は左の人へお手玉を回します。大きな声で歌いながら、右か左か考えながらやるため、単純ですが脳トレ効果があります。
初夏のテーマ(6月・7月)
初夏は「かたつむり」「流しそうめん」「七夕」そんなテーマでレクを楽しみます。
1. 梅雨なんか吹き飛ばせ！宝探しゲーム
事務所にあるシュレッダーにかけた大量の紙くずとピンポン玉を20個ほど用意します。ピンポン玉にはかたつむりの絵や職員の顔写真を貼り付けておき、紙くずを敷き詰めた段ボールの中にピンポン玉を入れておきます。そこに利用者様は手を入れて宝探しをしてもらうゲーム。
自分の知っている職員の顔が出てきたら、ポイント減点で大笑い。かたつむりが取れたら加算されて合計点数を競います。勝ち負けがあるとみなさん結構やる気になってくれるそうです。
2. 何でも流しましょうレク
段ボールなどで滑り台を作ります。テーブルの上に籠などを台にして滑り台を傾けます。トゲトゲボールやガチャガチャボール、アルミホイルを丸めたものなどを用意して流しそうめん風に流し、おたまですくうゲームです。利用者様は流れてくるボールを必死になってすくおうとするので、気がつけば手を伸ばしたり、声を出したりして単純ですが結構楽しめるゲームです。
3. スタッフ生着替えレース
男女のヘルパーさんが利用者様に順番に着物を着せてもらいメイクしてもらうゲーム。利用者様は口紅を塗ってあげたり、折り紙で作った頬紅や眉毛を顔に貼りつけたり、かつらを被せたりして最後は織姫と彦星になるように完成させます。特に女性の利用者様には喜んでもらえるようです。
レクを行う際に大切な4つのこと
1. 「季節の先取り」をすること。たとえば今、桜が咲いている時期だから桜を用意するのではなく、少し先の藤を使うといった具合です。実際に藤の季節になった時に「あの時レクで藤の花で遊んだな～」なんて思い出しくれると季節感をより感じてもらえるからだそうです。
2. ゲームの説明は耳が遠い方もいるので、ゆっくり大きな声でみんなが理解できるように説明すること。分からないままゲームが進行しても楽しくありません。
3. あくまでも主役は利用者様ですが、ヘルパーさんも一緒に参加するレクは大変盛り上がるそうです。
4. なるべく全員が参加できるように、単純だけど幼稚にならないよう工夫してレクを盛り上げることも大切だそうです。
まとめ
「内容を考えるのは大変だけど、レクをすることで利用者様が笑顔になる時が一番充実する」とスタッフは言います。今まで参加しなかった方が、いつの間にか参加していたりすると、このレクは成功した！と実感するそうです。利用者様のそれぞれの身体状況や人間模様も考慮して、みんなで楽しんでもらえることが一番大切なことだと感じました。
ライタープロフィール
あしあと
特養ヘルパー3年を経て、現在は訪問介護ヘルパーを担当する13年目のベテラン事務員。
縁の下の力持ちとして活躍中。
介護福祉士・福祉住環境コーディネーター2.3級・介護タクシーに必要な普通2種免許取得
