介護士の仕事は、夜勤があったり、利用者さんの介護や安全に気を使って知らず知らずのうちに疲れがたまる方も多いと思います。生活リズムも不規則になりがちではありませんか?そんな中、歯の健康には気を使っていますか?
仕事中に歯に痛みが出てしまったら、気になってしまい仕事どころではなくなってしまいますよね。また、虫歯の治療が必要になってしまった場合は、通院しなければなりません。
そうならないためにも、歯が健康だととても良いということをお伝えしたいと思います。
お口の病気は虫歯だけではありません
お口の中の病気は虫歯だけではなく、歯周病・口臭・口の中の腫瘍・ドライマウス・睡眠時無呼吸症候群・顎関節症など様々あります。
歯周病は、お口の中だけの病気ではなく、身体へも影響をもたらします。近年、歯周病が全身へもたらす影響についての研究が進められています。
歯周病に関連がある症状は、糖尿病・心疾患・誤嚥性肺炎・骨粗鬆症・早期低体重児出産などがあります。
歯の健康には「予防」が大事
お口の中の病気にならないためには、予防が大切です。
最近は「予防歯科」という言葉がよく聞かれます。昔の日本では「歯は悪くなってから治療する」という考えの方が多くいました。ですが、最近は「歯は悪くならないように予防する」という考えが多くなってきています。
歯を悪くしないためには、日々のケアに加え、歯医者さんでの歯のクリーニングも大切です。
私たち介護士は、業務中は食後に念入りに歯を磨くことが難しい方も多いと思いますが、ポイントを押さえれば大丈夫です。
歯磨きのポイント
・食後10分以内に歯磨きをする
・歯を磨く順番を決めておく
・鏡の前で歯を磨く
どうしても歯磨きが難しい場合は、水でうがいをする・水やお茶を飲む・シュガーレスガムを噛むと虫歯予防になりますよ。
お口の中の健康に欠かせない「唾液」
唾液の分泌が減少すると、口の中が乾燥する「ドライマウス」になってしまうかもしれません。唾液の分泌量が少ないと虫歯や歯周病になりやすく、口臭が強くなってしまう原因にもなります。介護士は人と接するお仕事ですので、口臭が強くなってしまったら困りますよね。
唾液の分泌が低下する原因は、糖尿病などの病気や薬の影響などの他に、加齢・ストレス・女性ホルモンの低下・更年期障害・よく噛まないなどの生活習慣・口呼吸などがあります。
「唾液」を増やすにはどうしたら良いか
・ストレスなどの唾液の分泌が減る原因を取り除く。
・食事の時にできるだけよく噛んで食べる。
噛み応えのあるメニューにしたり、キシリトールガムを噛んでみるのも良いでしょう。
・唾液腺をマッサージをする。
食前がおすすめです。
1. 耳下腺~耳たぶの前方をゆびで優しくマッサージします。
2. 顎下腺~顎の下の柔らかい部分を指で押します。
3. 舌下腺~顎の先のとがった部分の内側を指で押す。
・舌を動かす
歯の表面を上下ぐるりとなぞるように舌を動かします。
唾液を増やして、ドライマウスを予防しましょう。
また、眠気が襲ってくる食後や夜勤の合間に気分転換に行うのもおすすめです。唾液も増えますし、眠気も吹き飛びますよ。
「8020運動」をご存知ですか?
1989年から始まった「80歳になっても自分の歯を20本以上残そう」という運動です。当時の厚生省と日本歯科医師会が推進しています。20本以上の歯があれば、ほぼ満足した食生活が送れるそうです。20本以上すべてが自分の歯だったら嬉しいですよね。
介護士が元気に仕事をするために、歯の健康はとても大切です
歯が健康だと、美味しいものが食べられ、また仕事を頑張ろう、と前向きになれます。
また、利用者様の歯の健康にも注目していきたいですよね。ご自分で歯磨きが出来れば良いですが、口腔ケアを必要とされている方は多いと思います。口腔ケアをしながら一緒に唾液腺のマッサージや舌の運動などをしてみてはいかがでしょうか。
ライタープロフィール
Akiko
介護士。
一人暮らしの祖母の通院・買い物、身の回りの簡単な介護を6年間していました。