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見えない流行病「孤独」~介護士が考える日本の孤独問題~

2018年3月8日 15:17

介護業界のこれから・最新情報

イギリスのテリーザ・メイ首相は1月17日、孤独を感じることによる健康への悪影響を問題視し、新たに「孤独担当相」を設置しました。またその翌日、1月18日に引退発表をしたミュージシャン・音楽プロデューサーの小室哲哉さんは記者会見の中で、闘病中の奥様に係る事で感じた「介護者の孤独」について吐露していました。
今回は「孤独担当相」を皮切りに、日本の「孤独」問題を考察してみたいと思います。

社会問題である「孤独」

人口6,500万人のイギリスでは国民の7人に1人、900万人以上の人が孤独を感じているとされています。英国民保健サービス(NHS)によると75歳以上の半数が1人暮らしで、1ヶ月以上友人や家族と会話をしていない高齢者は20万人(高齢者の3人に1人)いると報告されています。
その他にも身体障害者の4人に1人が日常的に、子を持つ親の4人に1人が日常的もしくは時々孤独を感じていること、400万人以上の子供たちが孤独に関して専門家に相談しサポートを受けていることが、2017年の調査により明らかになりました。
孤独への対策は、2016年に極右過激派に殺害された労働党のジョー・コックス下院議員が精力的に行っていました。「ジョー・コックス・ロンリネス」プロジェクトは上記の調査を実施し、それを元に「孤独は肉体的かつ精神的な健康に害を及ぼす」とし、孤独が蔓延る社会では1年間で320億ポンド(約4兆9,200億円)の経済影響が生じる可能性があると示唆しています。

日本の「孤独」

国連児童基金(ユニセフ)が実施した幸福度に関する調査によると、日本の子供の約30%が「孤独」を感じていて、先進国の平均値を4倍以上も上回っています。また経済協力開発機構(OECD)も、日本の成人、特に男性は他人と交流する時間を持たない割合が、世界で一番多いと発表しています。

現代の日本において、一人暮らしの高齢者(65歳以上)も男女共に著しく増加しています。1980年には、「男性19万人/女性69万人」であったのに対し、2015年には「男性192万人/女性400万人」にまで膨れ上がっています。同年における高齢者人口に占める独居者の比率も、「男性4.3%/女性11.2%」から「男性13.3%/女性21.1%」と、やはり上がっています。
孤独死とは、一人暮らしの人が誰にも看取られず、自宅などで亡くなることを言います。日本の孤独死の人数は、公的機関による統計の発表はされていませんが、一部専門家によると年間約3万人いると言われています。

人の友人は150人が限界?

孤独を感じないためには、何人くらいの友人がいれば良いのでしょうか。それは決して、「多ければ多いほど良い」というものではなく、人間には社会的コミュニケーション能力に限界があるようです。
イギリスの人類学者ロビン・ダンバー氏は、動物の脳の大きさと社会と関わる能力との相互関係を認めています。人間が独立した関係性を保てるのは150人が適切で、この数が安定した関係性を維持する限界だということです。また、会わないでいるとその親密感は1年で15%ずつ減少し、6年間会わなければ無くなるとも言っています。

高齢者の「孤独」の原因

一般的に年を取ると友人の数が減ると言われています。これは年を取るごとに「友人」を作るのが難しくなっているのではないか、と想像できます。
友人のネットワークは学生時代である10代から20代にかけて広がり、30代に入ると縮小していきます。その要因となっているのは、社会に出た後に変化する生活環境ではないでしょうか。学生時代は友人と似たような生活を送っていたため、毎日のように会うことができました。しかし学校を卒業し、仕事を始め、家庭を持つようになると、その環境は一変します。時間が有り余っていた学生時代とは異なり、とにかく忙しい生活を送るようになると、友人関係を維持するのも難しくなると言えるでしょう。

まとめ

英語では「孤独」を、「loneliness」「solitude」という2語で表し区別しています。「loneliness」は1人でいることをネガティブに捉えた言葉であるのに対し、「solitude」は「ソロデビュー(単独デビュー)」など単に1人でいることを意味しています。また日本語には「孤高」という言葉があり、個人として超然としている様を表しています。
高齢者の中には1人を好み、支援を受けることを煩わしく思っている方もいます。「不便」よりも「気楽」を選ぶということ。ただ、表面上は「孤高」に見えても、実は「孤独」を感じている場合もあります。まず肝心なのは援助者のアプローチの仕方であり、「孤独」から抜け出せる場を用意することではないでしょうか。

ライタープロフィール

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介護福祉士、介護支援専門員。
小さな在宅系事業所で働いています。
介護に関わる全ての方々に、明るい未来を。

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