認知症になってしまうと自分で自分の財産や意思決定を守ることが出来なくなってしまいます。そのため、人によっては騙されてしまいお金が無くなった、老人ホームに入りたいけど手続きが分からないなどの問題が出てしまいます。
それを解決する制度として成年後見人が出てきました。成年後見人とはいったいどういった制度なのでしょうか?
成年後見人はその人を守る制度
成年後見人はその名の通り後ろから見る人となります。対象者が認知症などによって判断能力が低下した際にその人に代わって代わりに判断をするという制度になります。
例えば、認知症で判断能力が低下してしまい必要でない高額な商品を買ってしまったとします。後で後見人がそれを発見した場合その購入した行為を取り消すことが出来るのです。つまり財産を守ることが出来ます。
また認知症で判断能力が低下して、要介護状態であるにも関わらず施設へ入居の手続きが出来ないとします。そんな時は後見人が本人に代わって手続きを行うのです。そういった場合は本来受けることができるはずの権利を守る役割になります。
認知症高齢者は爆発的に増加してきており、さらに増加することが懸念されています。その為、後見人の制度が必要となるのです。
身寄りがいない方が増加している
近年問題となっているのは独居高齢者、身寄りの無い高齢者の問題です。今までは後見人の役割を家族が行っていましたが、家族がいない方が増えてきておりその代わりとなる人もいません。
そのため、身寄りがない方が認知症になってしまいますと様々な場面で困難が生じてしまうのです。助けてくれる人、自分の代わりに判断してくれるような人がいませんと、身寄りの無い方の場合生活に多々困難が襲ってきます。
しかし成年後見制度を利用することによって、身寄りがない場合でも自分の財産を守ることが出来ますし、自分の尊厳を守ることが出来ます。
どうすれば成年後見人を利用できるのか
成年後見人は大きく分けると2種類あります。任意後見制度と法定後見制度です。簡単に説明すると任意後見人はまだ正常な判断が出来る状態で結び、認知症などになってしまった場合に利用できる制度です。法廷後見人は認知症になってしまった後に行う成年後見制度であり、親族が申請をしたり、第三者が市町村に申請をしたりして利用することが出来ます。
任意後見人の場合はまだ正常な判断が出来る状態ですので、誰に依頼をするのかをあらかじめ決めることが出来て、その多くは親族になります。
しかし、法廷後見人の場合は裁判所が誰がするのか決めていきますので、自分で誰に頼めるか決めることが出来ないことに注意しておきましょう。また財産がある方は弁護士や司法書士などの専門家がなることが多く、その場合は月々の費用が掛かりますので注意してきましょう(親族間であれば費用は発生しません)。
制度を利用する場合は、まず社会福祉協議会や地域包括支援センターに相談をすることをお勧めします。相談をして専門の機関を紹介してもらうことが最も早いといえるでしょう。
まとめ
成年後見制度は現在徐々に認知されていっている制度ですので、今後もますます広がっていく制度となるでしょう。しっかりと自分の利益や尊厳、権利を守るためには成年後見制度を早めに利用していくことをお勧めします。
また、この流れは徐々に主流になってきています。既に財産をたくさん持っている方は成年後見制度を利用して弁護士などに依頼をしていますし、後見人専門の司法書士や行政書士も出てきていますので、知っておいた方が良いでしょう。
主流になってきているからこそ、制度を知っていくことによって安心することが出来ます。
ライタープロフィール
Kokko0320
介護福祉士、ケアマネジャー、社会福祉士を取得しています。
介護についての情報や私の経験談など、現在介護をしている方はもちろん、これから介護を目指している方にわかりやすくご紹介していきます。