日本の平均寿命ってご存知ですか?
平成27年では、男性80.75歳、女性86.99歳(平成29年版高齢社会白書より)だそうです。そして、その平均寿命は今後も延びていき、50年後には、男性84.95歳、女性は91.35歳になるといわれています。
平均寿命イコール元気で過ごせる年、というわけではなく、病気や高齢で介護が必要になる場合も出てきます。最近は、核家族化がすすんだこともあり、「老老介護」や「認認介護」のニュースをよく聞きます。老老介護の果てに介護に疲れて追い詰められてしまったり、介護していた相手を殺してしまった、というニュースが後を絶ちません。
老老介護とは
介護する人も、介護される人も65歳以上の高齢者の場合をいいます。
2016年の国民生活基礎調査によると、老老介護の世帯が54.7%に達したそうです。高齢化と核家族化がすすみ、世代を超えて一緒に住むことが少なくなってしまったことも背景には考えられます。65歳以上といえば元気な方もいますが、体力が落ちてきたり、何かしらの病気をしたことがある方も多いのではないでしょうか?介護する人にも、何かしらの病気や衰えが出てきていることもあります。
老老介護をしている場合、高齢の夫婦のこともありますし、高齢の兄弟同士、また、高齢の親子の場合もありえます。
認認介護とは
介護する人も、介護される人も認知症の場合をいいます。
厚生労働省の2015年1月の発表によると、日本の認知症患者数は2012年で約462万人、65歳以上の高齢者の約7人に1人と推計されていますから、老老介護で認認介護のケースも珍しくないのではないでしょうか。 また、2025年には65歳以上の認知症の患者さんは約700万人に増加するとの推計も出ています。
これからますます、老老介護・認認介護の問題は出てくると思います。
老老介護・認認介護にならないようにするには
健康寿命を伸ばそう
「健康寿命」とは、健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間のことです。
厚生労働省によると、健康寿命は男性は71.19歳、女性は74.21歳(平成25年)だそうです。
適度な運動をしたり、毎日の食事をしっかり食べるよう心がけて、健康で元気に過ごせると良いですね。
認知症になりにくい生活をしよう
生活習慣病の予防が認知症の予防にもつながるそうです。栄養豊富な食事と適度な運動をしましょう。やはり、家でじっとしていると、外からの刺激も減り、気分も落ち込んでしまいます。脳トレや社会参加など、ストレスのない範囲でどんどん動いてみてください。
老老介護・認認介護になってしまったら
家庭での介護は、介護の現場で、介護職として働く私たちとはまた違う大変さがあると思います。介護の経験のない方にとっては、情報を集めるところからスタートしなければいけません。24時間常に介護の必要な場合もあり、介護する側の体力や、ストレスもたまると思います。また、経済的な負担も出てきます。
介護する人の体力的な負担や、慣れない介護によるストレスは、ホームヘルパーを利用したり、デイサービス等を利用することでかなり軽減できると思います。介護される人にも、外からの刺激が得られたり、いろいろな方とお話しする機会が得られるので、プラスになると思います。
老老介護・認認介護という言葉は、私たちの身近にある言葉だと思います。そして、実際にそのような状態の方は多いと思います。私の働いているデイサービスでも、高齢のご夫婦での利用や、認知症の方の利用、高齢の親子で暮らしている方など、老老介護・認認介護に当てはまる方が何組かいらっしゃいます。お互い、介護によるストレスや負担が減らせるよう、施設やサービスに頼っても良いと思います。私たちは、皆さんの生活が、安心で楽しいものになるよう手助けをしたいと思っています。
ライタープロフィール
Akiko
介護士。
一人暮らしの祖母の通院・買い物、身の回りの簡単な介護を6年間していました。