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介護保険証発行について考える

2017年12月29日 13:39

介護の最新情報

12月の恒例行事と言えば「年賀状」が上げられますね。年賀状を書く際には、ハガキを購入し、宛名を手書きするか印刷するかして投函される事と思います。人によっては業者に頼まれる方もいるかもしれませんが、大筋の流れはこのようなものでしょう。当然ながら、年賀状を相手方に届けるためには「ハガキ代」や「印刷代」「切手代」等といった諸々の費用がかかってくるわけですが、このような費用はあくまで個人の問題ですので、各家庭の懐事情と相談の上、つまりは自己責任の範疇で考えるべきことなのですので、問題となることはないでしょう。

では行政が発行する介護保険証に関してはどうなのでしょうか。ここにも当然年賀状と同様に費用負担が生じているわけですが、無論税金で賄われているため、私達が日常の中で気にすることなど皆無に等しいのではないでしょうか。しかし税金であるということは、私達が支払いを行っているということと同義となります。ここで考えなければならないことが、この発行された介護保険証に無駄が生じているという事実があるということなのです。

介護保険証発行と利用時期について

横浜市では満65歳を迎え第一号保険者となると介護保険証が発行され、該当者の手元に届くこととなります。ところがこの介護保険証、一体いつ使えば良いのでしょうか。

当たり前のことですが、「介護保険が必要になった時」に利用するものとなります。効力を発揮するのも介護保険利用時となりますので、必要性のない人にとっては無用の長物に他なりません。では次に介護が必要になるのはどんな時期なのでしょうか。平成28年度9月報告の厚生労働省の「介護保険事業状況報告(暫定)」ならびに「総務省「人口推計(平成28年9月確定値)」では、要介護者の発生率が次のように公表されています。65歳以上では2.9パーセント。75歳から79歳では13.7パーセント。80歳から84歳では28.4パーセント。85歳以上では59.1%。すなわち65歳で手元に届いてから、介護保険申請を行うまでの期間におよそ10年の開きが生じていることが分かります。10年前に届いた郵送物をそのまま無くさずに保管しておける人は、一体どの程度いるのでしょうか。いくら行政から届いたものとは言え、まさか自分自身が介護状態になると見込んでいる人はそうはいないでしょうから、箪笥などにしまい込んだ場所をそのまま忘れてしまえばそれまでとなります。実際、私自身介護保険の申請の相談を受けることがあるのですが、その中でも介護保険の紛失ということはよくあることなのです。

発行費用はどの程度かかるのか

介護保険証の発行費用は公表されていないため、それと似た状況で計算をしてみると次のようになります。とある印刷業者がインターネット上で打ち出している年賀状印刷の費用として、50部で1,770円と掲載されていました。ちょうど介護保険証の紙質は名詞やはがき等と似たような材質と考え今回は年賀状を一つの参考としてみました。次に横浜市が公表している27年1月1日時点の年齢別人口より、老年人口(65歳以上)の人口増加率を見てみると、26年度より31,300人増加しているとの事でした。すなわち新たに31,300人分の介護保険証が発行されている事となります。ここに先ほどの費用を加えて計算すると554,010円の費用がかかることが分かるのです
。介護保険の申請の内、紛失の割合を統計で算出しているわけではないため、今回は私自身の体感を基にすると、10名の介護保険申請相談の内、1,2名は紛失していると感じます。これを1名と仮定した場合、全体の約10パーセント程度が紛失している計算になりますので、55,401円がまったくの無駄金として消えているという計算になるのです。

10パーセントを考える

無駄金があるから、施策を見直すというわけではありません。問題はそこから見えてくる背景にあるのです。高齢化社会に伴い平均寿命と同様に介護保険を使わざる得なくなる人の年齢も伸びているのです。この介護保険証の発行に関してだけで言えば、まったく行政が介護の流れについてこれていないようにも感じるのですが、皆さんはどのように考えられますか?

ライタープロフィール

太郎丸
日本文学系大学卒業後、介護老人保健施設に介護士として就職。
介護士として3年目に「介護福祉士」を取得。
主に認知症介護に加え、口腔ケアや排泄ケアを専門に取り扱うようになる。
後、5年目に「介護支援専門員」を取得し、介護老人保健施設を退職。

退職後、有料老人ホームに介護支援専門員として再就職。
6年間常勤職員として、施設サービス計画書の作成の他、施設の運営等にも関わる。

有料老人ホーム退職後、主任介護支援専門員として地域包括支援センターに常勤職員として勤めるようになる。
現在、国が推し進める地域包括ケアシステムの構築のため、日夜邁進。

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