私は小さい時から祖母が大好きでした。忙しい両親に変わり、私の面倒をみてくれていたのが祖母でした。祖母は1人暮らしで、祖母の家は自宅から車で20分の距離にありますが、中学、高校と部活で忙しかった時期にも毎月のように祖母の家に遊びに行きました。
18歳になり、車の免許を取る頃には、丈夫だった祖母も病気をするようになり、病院通いや買い物、掃除機をかけるなどの身の回りの簡単な家事が大変になってきていました。車の運転ができない祖母のために私は定期的に病院や買い物に連れていってあげていました。今、振り返ると、これが介護を意識した始まり
かもしれません。
私が介護の仕事を始めるまで
私は高校を卒業し、事務職に就きましたが、結婚・出産を機に退職をしました。子供が幼稚園に入園する頃、祖母が脳梗塞で倒れ、半身不随になってしまいました。
祖母の入院中から「退院することになった場合、1人暮らしは難しく、介護は必要」と医師から説明があったので、家族で祖母を迎える準備、初任者研修資格を取り介護について勉強しました。
今までのような簡単なことではなく、半身不随の方が車いすからベッドへ移る時の介助の仕方、どのようなことに気を付けて介助をしたら良いのかもっと専門的なことが知りたかったのです。ですが結果として、祖母の自宅への退院は難しく、施設にお世話になることになりました。その後子育ても落ち着き、家計のためにもパートで働き始めました。以前の職種に復職しようとも思いましたが、祖母のために勉強した介護のことを活かそうと、介護職として働き始めました。
介護職の仕事
私は今、介護職として、デイケアのある施設で働いています。
利用される方の送迎、入浴サービス、食事の準備・介助、レクリエーション等、仕事内容はとても多いです。朝や帰りの送迎でいつもと違う様子やご家族から施設への連絡事項があれば、職員へしっかりと伝えなければいけません。体の不自由な方の移乗介助や歩行のお手伝い、入浴のお手伝い等もします。病気によって注意しなければいけないことも違います。
また利用者の性格によっては接し方も工夫しなければいけません。入浴や移乗のお手伝いは想像以上に体力仕事です。それに加え、ご家族との連絡ノートの記載や掃除、レクリエーションの準備等の雑務もあります。デイケアを毎日利用される方もいらっしゃいますし、週に1、2回の方等様々ですのでお顔と名前を覚えるだけでも大変でした。医師や看護師、リハビリスタッフ等様々な職種の方が働いています。それらの方々も覚えなければいけませんので、始めは毎日大変でした。
介護職として働いてみて感じたこと
始めは仕事内容を覚えることや、人間関係を把握するのに苦労しました。ですがスタッフは優しく指導してくださり、時には利用者からも教えてもらえることがありました。やはりたくさんの人が出入りする職場なので、一人で仕事をしているわけではありません。働いているスタッフは皆さん、利用者のことを考えて仕事をしていますので、介護職同士、他職種との連携、利用者様・ご家族等、コミュニケーションが大切になってきます。
毎日一生懸命働いてみて感じていることは、心配しなくても技術や知識は後からついてくるものです。私も始めは病気や介護保険等に関する知識は資格取得時のレベルでした。しかし周りのスタッフに教えていただいたり、本を読んだりすることで、知識が少しずつですが増えてきたように思います。しかしミスや事故を防ぐためにも、知識だけでなくスタッフや利用者様との交流はとても大切だと思います。
まとめ
祖母のために覚えた介護の仕方も、介護される方が違えば、介護の方法は色々あります。基本的なことは同じですが、やはりその方にあった介護の仕方、接し方があると思います。介護の仕事を始めてみて、これらのことがようやくわかりつつあります。利用者のみなさんに「ありがとう」と言われた時や、思いが通じ合えた時、とても仕事のやりがいを感じます。
介護には正解はないのだから、日々研究に発見です。時には、体力的に辛い時や、人間関係に悩むこともありますが、利用者にお礼を言われた時、それまでの苦労が吹き飛んでしまい、また、頑張ろうと思えます。私は、これからも介護職として、働いて行きたいと思います。
ライタープロフィール
Akiko
介護士。
一人暮らしの祖母の通院・買い物、身の回りの簡単な介護を6年間していました。