私は高校卒業後、就職も進学もせずにフリーターをしていました。そんな私が、どうやって介護の仕事に出会い、なぜ介護福祉士になったのかをお伝えします。
人の役に立つ仕事はしたいけれど
私は中学生までは体が弱く体調に波がありました。病院通いをすることが多かったこともあり、自然と看護師さんや医師のような人の役に立つ仕事に就きたい、と思うようになりました。
高校は看護科の受験も視野に入れていたものの、体調を心配する母の反対もあり、看護科への入学は断念せざるをえませんでした。高校三年にはリハビリの学校を受験するも不合格という結果に。
高校卒業後は経済的事情もあり、予備校には通わず独学の道を選んだものの、勉強は進まずフリーターとなり、気がつけば6年もの月日が経っていました。
職安で運命の出会い
介護職との出会いは24歳の時でした。当時勤めていたゲームショップが閉店することになり、年齢的にもそろそろ正社員を探さなくては就職したくてもできなくなると思い、職安で仕事を探すことにしました。
なかなかやってみたいと思える仕事がなく、諦めかけたその時、職業訓練の中にホームヘルパー2級講座の受講生募集を発見。講座開始日がゲームショップの退職日の次の日だった上、当時の住まいからも近い場所での開催でした。しかも職業訓練の一環だったため、受講料も格安という、一人暮らしにはありがたい状況が揃っていました。
こんな絶好のチャンスはないと思い、さっそく講座を申し込みました。こうして私は介護の仕事への一歩を踏み出したのです。
病院へ就職、そして介護福祉士に
ホームヘルパー2級を取得後、介護療養型医療施設のある病院に就職することができました。入社後は医療療養型病棟へ配属され、主に寝たきりの方のお世話を学びました。
初めはできないことも多く、先輩方に怒られることも多々ありました。しかし、少しずつできることが増えていき、3年の経験を経て介護福祉士の資格も取得しました。
介護福祉士になってからは、今の自分にできることは何かを考えることが増え、色々な研修に参加しました。また、福祉環境についても知識を得たいという思いから、福祉住環境コーディネーター2級の資格も取得しました。
介護福祉士になって3年後には、介護療養型の病棟に異動となりました。その後、職場から認知症介護実践者研修の参加への機会をいただき、介護の知識や技術を深めることができました。
更なる進化を求めてデイケアへ
病院では、どうしても寝たきりの方や意思疎通が難しい方の介護が多くなります。そのような方々の介護もとても大事でやりがいのある仕事です。
しかし、介護関係の研修では在宅介護に関わるものを多く学びます。研修に行くたびに、「在宅の方々とも関わりたい」という思いが日々強くなりました。
そんな折、同法人の老人保健施設にてデイケアのスタッフを募集していることを知りました。上司に相談した結果、デイケアへの異動が決まり、現在にいたります。
デイケアには元気な方々が多く、コミュニケーションの取り方が課題となります。また、施設ケアとは違う点も多く、初めはとても戸惑いました。これまでの経験が活かせないのでは、という不安も大きかったです。
しかし、施設ケアと在宅の両方を経験したことにより、確実に介護の知識や技術は深まってきています。今は、思い切ってデイケアに異動してよかったと、心から思っています。
まとめ
私が介護の仕事に就いて、13年になります。人の役に立つ仕事に就きたいと思った夢は叶い、今や介護の仕事は私にとって天職となりました。
今は在宅生活を総合的に支えたいという思いから、ケアマネジャーの資格取得を目標に頑張っています。今までの経験を活かしながら、更なる飛躍ができるよう、これからも日々学んでいきたいと思います。
ライタープロフィール
中村 楓
フリーターから介護の世界に入り、3年の経験を経て介護福祉士を取得し、今年で介護職は13年目。
2度の産休育休を挟みながら、介護の知識や技術を学ぶため、福祉住環境コーディネーター2級を取得。また、ポジショニングや口腔ケア、認知症介護実践者研修など多数の研修にも参加している。
今後は介護支援専門員を目指して勉強中。