若年性認知症はその名の通り本来高齢者の病気である認知症が、高齢者とは呼べない若い年齢の方に発症するという病気の名前です。近年では若年性認知症は増え続けていると言われ、社会的にも問題となっていますが、その実態を知っている方は少ないのではないでしょうか。
ここでは、若年性認知症について詳しく説明をしていきます。
若年性認知症に気づくポイント
若年性認知症になるのは40代前後の方が多いので、周りは気づきにくいといわれています。うっかりとした物忘れや、年のせいだと片付けてしまう場合が多いのです。そのため、見逃されやすくなってしまいます。
単純な物忘れと若年性認知症を判断するポイントとしては「物事を忘れているかどうか」です。うっかりと忘れてしまう場合は物事を思い出すことが出来ます。しかし若年性認知症の場合は、物事自体を思い出すことが出来ません。
またその他としては時間や季節が分からない、物を見ても判断が出来ない、記憶することができないなどの症状が現れます。
もし若年性認知症かと思ったときは早めに受診をしてもらうようにしましょう。受診をするとMRIなどで脳の状態を調べてくれますし、早めの対応が認知症の進行を遅らせてくれることがありますので、物忘れ外来などの専門科などを受診することをおすすめします。
初期の症状は
若年性認知症の初期症状としては日々できていたことがある日突然できなくなってしまうことが挙げられます。例えば、毎日通勤に通っている道で迷ってしまう、携帯電話の操作方法が分からなくなる、仕事でのミスが多発するなどが挙げられます。
また、会話の中でもつじつまが合わない時も出てきます。これは、話し手の言葉を理解できていないからです。話をしてもきちんとした返答が返ってこない、黙ってしまうなどがあれば注意が必要です。
また、感情的になりやすくなるのも初期症状の特徴です。普段怒らない方が怒ったり、泣かない方が泣いてしまったり、感情的になりやすくなってしまいます。
周りのサポートが必要
若年性認知症は進行性の病気ですので、止めることは現段階ではできません。特にアルツハイマー型の認知症の場合進行が顕著に現れます。
進行するかどうかは周りのサポートが非常に重要になってきます。
周りが本人を批判したりすると、鬱状態になることがありふさぎ込んでしまい、さらに認知症状が悪化してしまいます。若年性認知症になっても変わらずに出来ることや、残された機能は当然あります。
そういった出来るところに目を向けて、出来るだけ今までと同じような生活が送れるようにサポートすることが必要になってきます。
若年性認知症特有の症状とは
若年性だからといって認知症状は高齢者の場合とほとんど変わりはありません。しかし、高齢者と比べるとまだまだ体は元気なことが多いです。そのため、行動には特徴が出ます。
例えば認知症の症状として挙げられるものに「徘徊」がありますが、
若年性認知症の場合は徘徊の範囲が非常に広くなります。徘徊をして県外で発見されたということも珍しくはありませんし、交通機関を使用して遠くに行ってしまうことがあります。
また、周りに暴力をふるってしまった場合は被害が非常に大きく出ることがあります。特に男性の場合は力が強いですので、妻にケガを負わせてしまうこともあります。
認知症そのものの症状というよりは、体が元気なのでその分認知症状が強く周りに影響してしまうといえます。
まとめ
若年性認知症はまだまだ現役で社会で活躍している方が発症することになりますので、その影響は計り知れません。夫の場合は働けなくなってしまいますと、家族全員に影響してしまいますし、妻の場合も同様に家族に影響が出てしまいます。
若年性認知症だと気付いた場合は、早めに医療機関を受診をして周りのサポートを受けるようにしましょう。
ライタープロフィール
Kokko0320
介護福祉士、ケアマネジャー、社会福祉士を取得しています。
介護についての情報や私の経験談など、現在介護をしている方はもちろん、これから介護を目指している方にわかりやすくご紹介していきます。