土日になると、利用者のご家族が面会にいらっしゃるという施設、多いですよね。しかし中には、「ご家族とどう接していいのか、分からない」という場合もあります。特に若い介護職員の場合、ご家族とどう話をすればいいのか分からず、利用者とご家族との様子を見守るだけ・・・ということになりがちです。
そこで、利用者のご家族とはどのように接すればよいのか、どの程度の距離感を取ればよいのかを、お伝えしていきます。
大前提!ご家族とのコミュニケーションは必須
利用者により良いケアを提供する為には、ご家族の協力が必要不可欠です。例えば、あまり食事を取っていない利用者の場合、「家にいたときは梅干しをよく食べていた」というご家族からの情報があれば、梅干しを用意することで食事に対する意欲を上げることができます。
また日中活動が少ない利用者に対し、「きれい好きだった」というご家族からの情報で、ゴミ集めや衣類の仕分けを手伝ってもらう、ということも可能なのです。
このように、利用者がよりよい生活を送る為にも、ご家族とのコミュニケーションは必須なのです。
以下に、コミュニケーションの4つのポイントをご紹介します。
1. まずは挨拶から
ご家族との距離感や接し方が分からない場合は、まず挨拶から始めましょう。いらっしゃったら、「こんにちは」と笑顔で接します。その後利用者がいらっしゃる場所へご案内し、お茶を持っていきます。最後に、「何かありましたら、お呼びください」と立ち去ります。
最初はこの位で大丈夫です。ご家族は利用者に会いに来たので、無理にこちらから話しかけることは控えましょう。お帰りになるときは、「ありがとうございました」と笑顔でお辞儀をします。こうすることで、ご家族も好印象を持ちますよ。
2. 写真を撮る
誕生日や敬老会などのイベントが近くなると、利用者の写真を飾る施設も多いですよね。ご家族がいらっしゃったときは、是非写真撮影をお願いしてみましょう。快く協力してくれますし、ご家族と会話をするきっかけの1つでもあります。
3. 利用者の様子を話す
何回か面会にいらっしゃり、顔なじみになったら、雑談交じりに利用者の様子を話してみましょう。「今日食事を自分で召し上がっていた」「洗濯物たたみを手伝ってくれた」と何気ないことを話すことで、ご家族も安心されます。
ここで大切なのは、楽しそうに話をすることです。愚痴のように話をすると、「この人は利用者のことが嫌いなのかな」と心配になります。笑顔で話をすることで、「職員さんからも慕われているのだな」「よく見てくれているのだな」と、信頼してくれるようになります。
4. 困っていることを話す
雑談ができる位まで信頼関係を得るようになったら、普段困っていることを話してみましょう。「最近イスに上手く座れないので、家にある使わないクッションはありませんか」「食事が食べづらそうなので、丸くて底が広い食器はありませんか」と、具体的なお願いや相談をするとご家族も理解しやすいです。
相談する前に心がけることは、必ず他の人の許可を得ることです。自分が家族に話す前に、上司や事務所が話をしている場合があるからです。必ず上司に、「Aさん(利用者)の○○で困っているので、今度ご家族がいらっしゃったときに相談したいのですが、よろしいでしょうか。」と話をしましょう。
まとめ
いかがでしょうか。利用者により良いケアを提供する為には、ご家族との協力が必要不可欠です。しかし最初から相談事などを介護職員側から一方的に話をしては、ご家族も混乱します。まずは挨拶やお茶を出して顔なじみになり、利用者の普段の様子を話すことから始め、ある程度信頼関係が出来てから相談するのが良いです。
心掛けてほしいのは、「ご家族は利用者に会いに来ている」ということです。利用者と一緒にいる時間を優先するということを、忘れないで下さい。
ライタープロフィール
miruto
リハビリ系の学校に通うも中退。ひきこもりを経て工場で働きながら通信制大学に通い社会福祉士になる。その後現場経験を培う為、特別養護老人ホームで介護員として働いている。
趣味は温泉巡り。