私が介護職を目指したきっかけはとても単純でした。
介護職を目指すきっかけ
私の母は元々介護職をしていて、その後ケアマネジャーと社会福祉士の資格を取得しました。幼い頃は母の職場について行き、施設の利用者さんと遊んでいました。
そんな母に女手一つで育ててもらったので、いつの間にか介護の仕事をしたいと思っていました。
幼い頃はただ介護の仕事をしたいと思っているだけでしたが、この夢が目標に変わったのは高校生の時です。
母方の祖父が脳梗塞になり身体能力の低下と認知症発症により介護が必要になりました。
しかし、介護施設はどこも満床で自宅で介護をするしかありませんでした。
当時高校生だった私は認知症に対する理解も浅かったため、きちんとした介護ができませんでした。その時の悔しさがあり、介護の仕事を真剣にやりたいと思うことができたのです。
介護職になるためにしたこと
最初介護の仕事をしたいと母に話すと反対されました。
「仕事内容の割に待遇が良くないから」「看護師でもお年寄りに関わる仕事ができるから」と看護師を勧められました。しかし、看護師になるのが嫌だった私は、看護学校の受験もせずに進路も決まらないまま高校を卒業しました。
無資格でも介護職として働くことはできましたが、私は介護職員初任者研修を取得することにしました。母親は私が介護職になることを反対していたために援助をしてくれなかったので、自分でお金を出し最短だった一ヶ月コースで資格を取得しました。
私が受講した介護職員初任者研修の講座は年齢層が高めでしたが、皆さん真剣に取り組んでいたので私も負けていられないと頑張ることができました。その後ハローワークの紹介で病院で介護職デビューしました。
介護職の理想とギャップ
高校生の頃に介護職になろうと本気で目指しましたが、介護現場は幼い頃遊びに行った時に少し見た程度だったので、なんとなくの仕事内容しか把握しておらずしっかりと見たのは就職してからでした。
私は介護現場はお年寄りとゆったりと話をして少しの介助をして楽しく仕事ができることを想像していました。しかし、実際の私の配属先はほとんどの人が寝たきりの方。講座で勉強した介助のやり方は通用せず、一から勉強し、オムツ交換や食事介助、お風呂介助に環境整備。色々な業務に追われ走り回り、ゆっくり患者さん(病院での介助のため、利用者ではなく患者と呼びます)と話す時間はありませんでした。
自分の介護への認識の甘さを感じ、自分に介護ができるのかと不安になりながらも毎日仕事をしていました。
介護職を続けられた理由
介護職として働き始めてから仕事を覚えるまで先輩にたくさん注意され、上手く介助ができない自分にイラつき、こんなに辛いなら介護職なんて辞めてしまおう。と思い泣いた日もありました。
それでも私が介護職を続けられた理由は、患者さんとその家族から「ありがとう」の言葉と笑顔を貰えたからです。どんなに疲れてる時で笑えなくても、患者さんに感謝されると自然と笑顔になれてまだ頑張ろうと思えました。
介護される側の人は介護する側の人をよく見ていて、自分が頑張った分感謝もされるしサボっている人がいればこっそりと教えてくれることもありました。
患者さんと話せるくらい仕事に余裕もでき、自分の中で「介護」についてわかってからは仕事がとても楽しくて介護職になって良かったと思えました。
まとめ
私は、ただお年寄りが好きという理由だけで介護職を目指しましたが、それでも誰かのために何かをするのが好きだったので、患者さんの「ありがとう」で頑張ることができました。
私の中の介護職はお年寄りの方に残りの人生をなるべく不自由無く、そしてなるべく楽しく過ごして貰えるように介護施設や病院内で介護をするだけではなく、家族と過ごしている時のように安心してもらえるような環境を作ることだと思っています。
自分の中での介護への考えがまとまればやりがいもある素敵な仕事です。
ライタープロフィール
ぶん
自宅で半身まひ、認知症に祖父を半年間介護。
高卒で介護士を目指し介護職員初任者研修取得。
病院で介護士として2年働き、現在は子育て中のため退職。