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ケアマネジャー 資格取得物語~ライター結びのそらの場合~

2017年9月28日 15:14

介護職経験談

介護施設の介護職員からスタートして、どのようなきっかけで介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格を取得する事になったのか、また取得後に得られたことは何かをまとめました。

ケアマネジャーを目指す

当時、私は介護施設の生活相談員として勤務していました。

生活相談員の仕事はケアマネジャーと同じ相談援助職ですが、利用者や家族の悩み、希望、時には苦情を聞き、それを一つ一つ解決していくことが主な仕事でした。
介護施設では、生活相談員を始め介護職員や看護師、嘱託医、栄養士、介護支援専門員、事務職員など様々な職種が利用者に関わっています。

一つの問題を解決できても、利用者に携わる全ての職員が共通の理解を得ていなければ、また同じことの繰り返しになってしまいます。
また生活相談員1人では解決できない問題も多くあり、他の職種の力が必要でしたが、なかなか協力してもらうことが出来ませんでした

ある時、利用者のご家族から
「時々でいいので、おばあちゃんの大好きな物を食べさせてあげたい」 と相談がありました。

この利用者は咀嚼機能や嚥下機能が低下していて、通常の食事形態ではなく細かく刻んだ状態で食事を提供していました。
その時は、ご家族の申し出に対して、私1人の判断ですぐに返答することができませんでした。

施設内の様々な職員に対して確認と許可を得ることが必要だったからです。

まず、
嘱託医、看護師
 嚥下機能面でキザミ食以外の摂取が可能かどうかを確認

栄養士と調理師
 ご家族が持参した食事を、厨房以外で調理(細かく刻む)することが可能か確認

介護職員
 ご家族が持参した際に細かい対応が可能か確認

利用者に関わっている職種に一つ一つ確認し許可を得て、実際にご家族の希望に応えることができるまでに、かなりの時間を要しました。

同じフロアのケアマネジャーにこの件を相談した際、帰って来た返事が 「今忙しいから出来ない、生活相談員がやればいいんじゃないの」と言うそっけないものでした。

その返答に
「これって、生活相談員の仕事なのか?なんのためのケアマネジャー?」
と、疑問と怒りを感じました。

ケアマネジャーは利用者や家族の意向を聞き取り、自立した生活や「やりたい事や夢」を目標に掲げ全ての職員が支援していけるよう働きかける大事な役割です。

ケアマネジャーが一声かければ、すぐにサービス担当者会議を開催することが可能でした。
会議の場で、ご家族の希望にどのように対応していくか話し合うことができたはずです。

利用者やご家族の声を直に聞き、ケアプランに落とし込み、他の職員にも共通の理解が得られるようチームを動かす。そして利用者の希望を実現して行く。

『こんなに素晴らしい役割を与えられているのに、何もしてくれないケアマネジャーなんて要らない、私がこのフロアのケアマネジャーになる!』

そう決意したことが、ケアマネジャーを取得するきっかけでした。

資格を取るための勉強がこんなにも大変だったとは…

ケアマネジャーの資格を取得すると決めてからが大変でした。
日々の生活相談員としての業務は残業が当たり前で、定時に帰宅することはほとんどまれでした。その上、家事と育児もこなさなければなりませんでしたので、自分の時間は全くと言っていいほどありません

夜は疲れて勉強どころではありませんし、休みの日にはたまった家事を片付ける…
いつ勉強すればいいのか?こんな状態ではケアマネジャーの試験には合格できない。

そこで、考え付いたのが自分の生活を改めて見直し、すきま時間を見つけることでした。
「夜全ての家事を終えてから、机で参考書を広げて取り組むもの」という考え方をやめて、夜は子供と早めに就寝し早朝に勉強するスタイルに変えました。

朝早い時間の1時間は驚くほど頭に入り、難しい介護保険制度も少しずつ理解できるようになりました。

それから、常に過去問題集を持ち歩きました。
5分や10分といった、ちょっとした空き時間があれば過去問題集を広げて問題を解くという勉強方法を取り入れました。

たった5分では1問か2問しか解けないですが、コツコツ繰り返したことで専門用語や高齢者の病気の特徴、介護サービスについて知識が身についていきました。

1度目の受験はわずか数点というところで不合格でしたが、2度目にやっと合格できました。

絶対ケアマネジャーになる!という強い信念と、勉強方法を切り変えたことが合格を手にできた理由だと思います。

ケアマネジャーの資格を取得して変わった事

資格を取得して変わった事は、周りの評価です。
「難しい試験によく合格できたね」と認められるようになり、希望していたケアマネジャーの職に就くことが出来ました。

それから、関わりの少なかった看護師や栄養士、事務職員ともケアマネジメントという業務を通して話が出来るようになりました。
どの部署に声をかけても顔見知りがいる状態で、スムーズに意見を求めることや資料の提出を依頼することも問題ありませんでした。

介護職員として働いていた頃は夜勤のある三交代制でしたので、不規則な勤務で夫や義両親に子供の世話を頼む事がとても心苦しく、子供にも申し訳ないと感じていました。

生活相談員になってからも残業が多く、行事のある土日は出勤することがしばしばあり、ゆっくり子供に寄り添うことがなかなかできませんでした。

しかし、ケアマネジャーの業務についてからは、定時に帰宅できるようになりました。
子供を保育園にお迎えに行くことも、のんびりと休日に過ごすことができるようになったのも、大きな変化でした。

終わりに

悔しい思いから始まった、私のケアマネジャーの資格取得物語でした。
資格を取得することは想像以上にとても大変な事でしたが、取得後の周りの評価や仕事に対するやりがいを得られたこと、仕事以外でも家庭での過ごし方、子供との関わり方を改善できたことは、私の中で大きな自信へと繋がり現在に至っています。
あきらめずにケアマネジャーの資格を取って、本当によかったなあと感じています。

ライタープロフィール

結びのそら
むすびのそら。
介護福祉士や介護支援専門員として約20年介護業界に携わる。
取得資格:社会福祉主事、介護福祉士、介護支援専門員、主任介護支援専門員、福祉住環境コーディネーター3級

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