利用者さんを介助中、事故にあったという経験、介護職員であれば誰もが経験しますよね。事故を起こすと原因が何であれ、凹みます。特に新人の介護職員であれば、「また同じ事故を起こすのではないか」と、トラウマになってしまう場合もあります。できれば事故は起こしたくないもの。しかし、「どうすれば事故を防ぐことができるのか」と悩む人も多いはず。そこで、利用者さんの事故を防ぐ工夫と安全対策を4つのポイントに沿ってお伝えしていきます。
1.「事故は必ず起こるもの」という認識を持つ
利用者さんの事故を防ぐためには、まず「事故は必ず起こるものだ」という考えを持つことが大切です。利用者である高齢者の身体は日々低下していきます。なので、いつ転んだりしてもおかしくないのです。また認知症の症状が進めば、口に入れてはいけないものを入れてしまう可能性は出てくるのです。
「どうすれば事故が起きないですむか」ではなく、「事故は必ず起こるものだ」という考えのもと、「どうすれば1件でも事故を防ぐことができるか」を考えていくようにしましょう。
2. 利用者さんの日々の動きを把握する
介護職員が出来る利用者さんの事故を防ぐ工夫として、利用者さんの日々の動きを把握していくことです。例を挙げると、歩行が不安定になってきた利用者であれば、転倒を防ぐ為にシルバーカーや歩行器を使用するといった安全対策が挙げられます。
また誤食の可能性がある利用者に対しては、周囲に紙や薬など、口に含んだら危ないものは置かないといった工夫をすることで、誤食を防ぐことができます。
こうした安全対策は、日々の生活を把握している介護職員だから出来ることです。介護職員事故を防ぐ為に、看護師や家族など、施設の職員全員で情報を共有することも大切です。
事故が起きたら報告する
そのような工夫や安全対策を行っても、事故は起こるものです。もし事故が起こったら、正直に報告しましょう。
「いつ、どんな状況で、どんな事故が起こったか」「職員はどんな対応をしたか」「利用者さんの状態はどうか」といったことを事故報告書にまとめましょう。
事故報告書は、利用者さんの事故状況を把握するだけでなく、職員を守ることにも繋がります。例えば、転んでも職員が何も対応しなかったら、実は骨折していたということもあり得るのです。
報告書にまとめることで、「介護職員は適切な処置をした」と第三者に説明することができます。
「なぜ事故が起こったか」を検討する
事故が起こったら、「なぜ事故が起こったのか」を職員全員で考えていきましょう。事故報告書を元に、事故原因を把握することで、次に同じ事故が起きるのを防ぐことができます。なので、事故報告書は詳細に、かつ第三者が見ても分かるように記載する必要があるのです。
また、「似たような事故が起こることはあるのか」を考えていくことも大切です。他にも転倒する可能性がある利用者はいないか、共同スペース内に転倒しそうな場所はないか等を把握することで、類似の事故を防ぐことにも繋がります。
まとめ
いかがでしょうか。利用者さんがいる以上、介護事故を完全に防ぐことはできません。なので、「どうすれば1件でも事故を減らすことができるか」と考えていくようにしましょう。
その為に、日々の利用者さんの動きを知ることで、事故が起こる可能性を発見し、対策を取ることができます。
それでも事故が起こった場合は、事故の内容を詳細に報告しましょう。その上で、「なぜ事故が起こったのか」を職員皆で検討することで、同じ事故を防ぐことができます。
介護事故を防ぐ為には、日々気づくことが大切です。利用者さんの生活を守るためにも、是非上記の方法を実践してみてください。
ライタープロフィール
miruto
リハビリ系の学校に通うも中退。ひきこもりを経て工場で働きながら通信制大学に通い社会福祉士になる。その後現場経験を培う為、特別養護老人ホームで介護員として働いている。
趣味は温泉巡り。