2014年に『レクリエーション介護士』という資格ができました。基本となる2級と、2級を取得後に上級資格の1級が取得できるようです。
介護職で働いているとレクリエーションネタがつきるという悩みはよく聞きます。介護職側のレクに対する苦手意識があるともったいない、利用者さん側から考えても、そのままでいいはずはなく生きがいにつなげたい。
そんな視点からも、レクが見直されてきたということではないでしょうか。
レクで施設側と衝突
ピアノやギターができれば、少しの時間で簡単に気分転換ができるのにと、楽器ができるスタッフの方がうらやましかったです。私はそんな芸当がないので、音源を用意し歌を歌うレクをしようとしたのですが、歌のチョイスが最近のものだと判断され、注意を受けたことがあります。
その時用意したのが最近といっても25年、30年前の歌謡曲でした。ですが結局のところ『歌謡曲』というチョイスがよくなかったらしく、その理由を聞いてみました。するとその選択肢が私寄りであり、利用者さんのことを考えていないということでした。
入所している利用者さんたちの、施設に来る前の生活は想像し、それぞれにいい時代があり、それと共に音楽もあったはずだと伝えてもだめでした。なぜ、だめなのかと聞くと、ご家族がどう思うかわからないということも言われました。以前何か苦情でもあったかを聞いても返事はなく、もし苦情があればちゃんと理由を説明し、どういった歌や音楽が好きだったか逆に聞けばいいと言ってもやはりだめでした。
そして何がいいのかと聞けば童謡だったのです。理由は誰でも歌えるからと、あまりに短絡的です。それも利用者さんのことを考えて本当にそう思っているらしく、見事に平行線でした。
今はそんなことはないと思いたいですが、ネットを使えば情報は簡単に手に入りますし、介護職というなら利用者さんの世代では何が流行っていたかは、分析はできると思うのです。
音楽は簡単で楽しい
とはいえ『音楽療法』があるように、やっぱり音楽を使うレクはお手軽な上に、効果もいいようで聞くも歌うも元気が出ます。その中でも『盆踊り』は大変良かった思い出があります、特に『炭坑節』。
みなさん手拍子をしたり歌ったり、腕を動かすだけの踊りでも、思った以上に盛り上がりました。ただ、『盆踊り』というのは割と定番だったようです、最初、思いついたときは嬉しかったのですが。
そこから利用者さん同士が見えたほうが一体感があることや、椅子の配置をレクの内容により変えたほうが盛り上がるなど、考えるきっかけにもなりました。
レクが上手なスタッフに教えてもらう
そこでレクが得意なスタッフが、ほかのフロアにもいると聞いて見学させてもらい、ゲームがうまいスタッフや、指先を使う物づくりがうまいスタッフにいろいろ聞いたのです。
私は認知症のフロアなので、少人数でもできるようなもの、それぞれに合ったものをやってみればということを教えてもらいました。
どうしても全体でするのがレクだと最初は思い込んでいたところがあったのです。
そこで考えたものが以下です。
・塗り絵
・お習字
・牛乳パックを切ったもので積み木遊びをするジェンガ
・インタビューや自己紹介をしてもらう
など、座りながらできることを中心としたレクをしていました。
女性はお化粧も盛り上がります。
レクリエーションとは
施設側の考えもあるのでしょうけれど、今ではパチンコなどもおいている施設もあると聞きます。あまり子供っぽいことや、苦手とすることをさせるなどは気をつけたいものですし、また楽しむことばかりでもなく、料理の盛りつけや、掃除、備品を取りにいくのを手伝っていただくなども立派なレクです。
そう考えると日常のふとしたことがレクになることもあります。
ライタープロフィール
おちゃみ
ワープロ、パソコンのインストラクターから介護士へ。特別養護老人ホームでは、介護福祉士の資格を取得し、4年半ほど勤務。祖父母の介護を10年以上し、自宅で看取った経験を持つ。