介護施設で働いていると、「何でこの仕事を続けているのだろう」と思う時がありますよね。毎日業務に追われ、まとまった休みがないと嫌になってしまいます。
かくいう私も最近までそう思っていました。
そこで、なぜ私が介護職を目指すことになったのか、振り返ることにしました。
その中で思い出したのが、「福祉の中にいる人を知りたい」という考えでした。
リハビリ系の学校に通うも、中退しひきこもりに
高校卒業後、私はリハビリ職になる為の学校に通っていました。理由は理数系が得意だったのと、「医療職なら就職に困らないだろう」という単純な理由でした。
しかし実習の中で「自分はこの仕事が合わないな」と感じていました。次第に勉強にも身が入らなくなり、学校を中退しました。
それからは無気力になり、アパートにひきこもる日々が続きました。
「何かしなければいけない」そう思いながらも何をして良いか分からず、悶々とした日々を送っていました。
福祉系の大学に通うきっかけ
しかし周りの人達に助けられ、徐々に外に出ることが出来る様になりました。そんな中、働きながら社会福祉士の資格を取れる通信制大学の存在を知りました。
「自分と同じようにひきこもった人達を支えることが出来る仕事に就きたい」と思うようになり、工場で働きながら社会福祉士になる為の勉強を続けました。2足のわらじの生活は大変でしたが、とても充実した日々でした。
実習中、高齢者との関わりの中で
そんな中、社会福祉士になる為の実習の中で、認知症の高齢者と関わる機会がありました。認知症に関する知識はあったのですが、実際にお会いするのは初めてでした。
会う前は「どんなことを話せば良いか分からない」と心配でした。しかし実際に会って話をしてみると、「案外普通に話せばいいんだな」という考えに変わりました。
その日の天気のこととか、肩の力を抜いて話をすれば良いのだということを感じました。
心境の変化
実習を終えて感じたことは、「自分は何も分かっていない」ということでした。社会福祉士は生活に困っている人に対し、適切な支援を行うのが仕事です。支援を行う為には、その人の生活を知る必要があります。
しかし社会経験の乏しい私が支援を行っても、頭でっかちになってしまうと感じました。「もっと現場経験を培いたい、身近で人に関わりたい」と思うようになり、大学卒業後は介護職としての仕事先を探しました。
介護職として働いて感じたこと
私は現在、地元の特別養護老人ホームで介護職として働いています。働いていて感じたことは、「認知症になってもその人の心は残る」ということでした。
認知症の人は心の動きに敏感なので、こちらが慌てると相手も不穏になってしまいます。
こちらがゆっくりと落ち着いて話をすることで、相手も落ち着いて話をすることができます。
またこちらが叱ると、相手はずっと不機嫌な状態が続きます。なぜダメなのか理由を言うだけでも、相手は納得してくれるのだということを学びました。
「介護」はみんなで支える
また働いている中で感じたのは、介護は本人の問題だけでなく、その家族や介護にあたる職員など、みんなで支えていかないと成り立たないということでした。
特に施設で働く介護職はその人の生活を支えるかけがえのない存在です。しかし現在は人手不足のため、1人1人の介護職の負担がとても大きいものとなっています。より良い介護を行う為にも、介護職のケアは必要不可欠であると痛感しました。
まとめ
以上が、私が介護職になったきっかけと、働いて感じたことになります。
今後、介護が必要になる高齢者はどんどん増えていきます。しかし、人手不足は解消されません。
その為、時間に追われ業務をこなす日々を送る介護職も多いと思います。
しかし、介護職は人の生活を身近で支える誇りのある仕事です。その誇りを失わない為にも、適度に休む、自分自身を大切にするというケアを心がけてください。
ライタープロフィール
miruto
リハビリ系の学校に通うも中退。ひきこもりを経て工場で働きながら通信制大学に通い社会福祉士になる。
その後現場経験を培う為、特別養護老人ホームで介護員として働いている。
趣味は温泉巡り。