カイナさんのぴったり介護職探し
カイナさんはこれから介護職に就きたいな…と思っている大人の女性です。
でも彼女はすごく心配性。
新しい一歩を踏み出すのには、しっかりとした根拠を見つけて動きたいと思っています。
これからカイナさんが、自分の働き方にたどり着くまでのストーリーをご紹介していきます。
【B】~無期雇用派遣(常用型派遣)編~
【C】~紹介予定派遣編~
【A】~派遣編~
おばあちゃんの介護で老人ホームに行った時、そこで働いているスタッフの対応に感動したカイナさん。
大変そうだけど、イキイキと働いているスタッフを見てカイナさんは思ったのです。
「人のために役立つ仕事、人と接する仕事がしたい」
でも心配性のカイナさんは、すぐに3つの心配ごとが頭に浮かんできました。
心配その1 「介護職は初めて。資格もないし、続けられるか不安だな」 心配その2 心配その3 |
カイナさんはさらに悩みました。
やっぱり安定の正社員?
でも短時間から働くなんてできないよね。
じゃあアルバイト?
無資格・未経験で、給料が高いところを自分で見つけるなんてできるかな。
そもそも介護業界のこと、何も知らない!
誰か相談に乗ってくれないかな。
カイナさんは、自分がとってもわがままを言っている気になりました。
でも調べていくうちに介護職にも「派遣」という働き方があることを知りました。
派遣か!派遣って事務職のイメージがあったけど、介護職にもあるんだ!
派遣会社なら、自分の条件に合った勤務先を紹介してくれるのかな!
介護の仕事に関する知識がない今の私にも、介護業界のことを教えてくれるはず。
それを踏まえた上で、自分に合った勤務先を見つけられるはず。
一緒に働く介護施設のスタッフでなく、派遣会社の方であれば、自分のわがままな希望も相談にのってもらえるかもしれない。
派遣って、今の私の希望にピッタリなんじゃないかしら!!
カイナさんの胸は高鳴りました!
さらに「派遣で働いてみよう」と思ったことで、カイナさんの心配は、少しずつ消えていくのです。
「心配その1」に対してカイナさんが見つけた答え 「介護職は初めて。資格もないし、続けられるか不安」 →無資格・未経験からでも求人はありそう。 派遣であれば、私でも勤務できそうな施設を探してくれるみたい。 「心配その2」に対してカイナさんが見つけた答え 「心配その3」に対してカイナさんが見つけた答え |
こうしてカイナさんは、「派遣で介護職に就く」という夢に向かって走り始めたのでした。
カイナさんの派遣で介護職として働くメリットとデメリット
メリット
・無資格・未経験からでも自分に合った条件で仕事をスタートしやすい
・時給も高めのところが多い
・派遣会社を通すので、働く上での要望を伝えやすい
デメリット
・派遣なので、正社員ほどの安定は得られない
・もし勤務先がとても気に入ったとしても、ずっと同じ職場で働くことができる保障はない
・派遣会社の派遣社員であるという意識は常に持ちつつ、勤務先施設での勤務をしなければならない
【B】~無期雇用派遣(常用型派遣)編~
介護職の派遣社員として働く大人の女性カイナさん。
無資格・未経験から始めて2年が経ちました。
その間に、派遣会社に資格の取得費用を全額負担してもらい、「介護職員初任者研修」(旧ホームヘルパー2級)を修了し、経験も積んできました。
そんなある時、カイナさんはふと思うのです。
「派遣という働き方は自分に合っていると思うのだけど、なんだか最近不安だな。」
「この先を考えると、もう少し安定がほしいな。」
そう思ったカイナさんは、同じく介護職の派遣で働いている友達のケンゴくんに相談しました。
するとケンゴくんの口から聞き慣れない言葉がありました。
「僕、派遣は派遣なんだけど、ムキコヨウで働いているんだよね。」
(・・・ムキコヨウ・・・?)
カイナさんは、初めて聞く言葉が気になりました。
ケンゴくんは、同じ派遣でも「無期雇用派遣」の派遣社員だったのです。
無期雇用派遣とは…?
派遣社員にはつきものである「期限」。
その期限がない派遣社員として働くことができるのが、無期雇用派遣(常用型派遣)という制度です。
「無期雇用派遣」とは、派遣社員という雇用形態ではあるけれど、職場や給料が安定して提供される制度なのです。
カイナさんはケンゴくんに、いま心配なことを話しました。
心配その1 「今の派遣先との契約が終了した後、次の派遣先が決まるまで無職の状態が続いたら不安になるな」 心配その2 心配その3 |
するとカイナさんの心配ごとを聞いたケンゴくんは、
「その心配ごとは、無期雇用派遣で解決するんじゃないかな!?」と提案しました。
いまカイナさんは登録型の派遣です。
無期雇用派遣とは何が違うのでしょう?
◆一般的な登録型派遣と無期雇用派遣の違い
登録型派遣 | 無期雇用派遣 | |
雇用契約を結ぶタイミング | 登録後に派遣先が決まった後 | 登録時 |
待機期間 | あり | なし |
給与 | 時給制 | 月給制 |
交通費 | 時給に含まれる場合もある | 給与とは別途支給 |
ボーナス・昇給 | 基本的になし | ある(派遣会社による) |
福利厚生 | 基本的になし | 正社員と同等のものが受けられる |
キャリアアッププラン | あり | 独自に力を入れている会社も多数 |
派遣される場所 | 通勤できる範囲 | 通勤できる範囲 |
確かに上記の表で見れば、カイナさんの心配ごとは解決されそうです。
こんなに良いこと尽くしの無期雇用派遣ですが、注意すべきことはなんでしょう?
①登録時に、面接や試験で審査がある場合が多い
登録型派遣は誰でも登録はできますが、無期雇用派遣は、まず登録に至る前にハードルがあるのです。
【ポイント!】
無期雇用派遣は、派遣社員側にとって好条件です。派遣会社は、派遣社員にとって好条件であっても、雇用したいと思う人に登録していただきたいと考えているのです。実際は無資格・未経験であっても、人物重視で採用が決まることもあります。
②派遣先で直接雇用されたい時にハードルが高くなる場合がある
ずっと働きたいと思える職場に出会った場合、無期雇用派遣社員は登録型派遣社員よりも難しいことがあります。
【ポイント!】
登録型派遣よりも無期雇用派遣の方が、派遣会社側は充実した待遇を用意し、遂行しています。よって派遣先である派遣先に直接雇用となった際、派遣元となる派遣会社は紹介料として、登録型派遣社員よりも無期雇用派遣社員の方が大きい金額を要求することが予想されるのです。したがって派遣先にとっても、無期雇用派遣社員の方が直接雇用するハードルが高くなる可能性がありえるのです。
③無期雇用でも派遣社員。契約が打ち切りになる可能性もゼロではない!
無期雇用という契約であっても、究極を言えば正社員ではありません。契約自体が切られてしまう可能性もあるということです。
④派遣先や仕事を選べない場合もある
【ポイント!】
無期雇用派遣社員は、前の派遣先との契約と次の派遣先との契約の間に、就労していない期間があっても給料が支払われます。そのため、派遣元となる派遣会社は、派遣社員が就労していない期間をできるだけ短くしようとします。派遣社員も給料が支払われている以上、あまりワガママを言えませんので、希望ではない派遣先へ行く場合もあると言われています。
ケンゴくんから一通り無期雇用派遣に関して説明を受けたカイナさん。
自分に合っている「派遣」というカタチはそのままで、さらに良い条件で働きたいと思ったカイナさんは、「無期雇用派遣」での転職を考え始めました。
【C】~紹介予定派遣編~
介護職の派遣社員として働く大人の女性カイナさん。
経験年数:2年
取得資格:「介護職員初任者研修」(旧ホームヘルパー2級)
最近のカイナさん悩みは、
「この先どうしたらいいかな。今の派遣のままは不安だし、ケンゴくんに聞いた無期雇用派遣もいいなぁ…それ以外に選択肢はないかな。」
「やっぱり正社員って安心なのかな。」
という内容ばかり。
カイナさんはますます悩んでしまっています。
悩んだカイナさんは、インターネットで調べることにしました。
そこで新しく出てきたキーワードが、「紹介予定派遣」でした。
紹介予定派遣とは…?
もともと派遣元の派遣社員として登録し派遣される人が、最大6ヶ月内の一定期間を経た後に、その派遣先に直接雇用される社員になること。
つまりは、派遣社員から勤務先での正社員(契約社員も含む)に変わることです。
派遣→正社員
「…そうか、最初の窓口は派遣で、その後正社員になれるってことなのか。」
正社員という選択肢も考え始めていたカイナさんにとっては、とても気になる働き方でした。
「もし派遣先での仕事や環境が自分に合っていて、ずっとここで働きたいと思える職場であれば、そこで正社員になるというのはとてもいいかもしれない」
それが紹介予定派遣の一番のメリットなのです。
紹介予定派遣のメリット
1.仕事内容や環境を見極めることができる
最初は派遣社員としての勤務になります。最大で6か月間と決められているのですが、その間にこの仕事をしていけるのか、この環境でずっと働き続けることができるのか、見極めることができるのです。
2.条件などの調整をしてくれる
直接雇用になる際、派遣先とどのような契約になるのか、自分の希望とどの程度条件が合うのか、派遣会社が間に入ってくれるので、直接は言いづらいことも伝えることができ、交渉できる可能性は高まります。
3.派遣元の会社が、相談に乗ってくれ、アドバイスをくれる
これは派遣社員として働く際に共通して言えることではありますが、紹介予定派遣であっても、派遣元の担当者が希望や条件・経験や能力に合った派遣先を紹介してくれます。自分で探すよりは、専門家である担当者のアドバイスに従いながら、派遣先を探していく方がミスマッチを防ぐことができるでしょう。
4.入社難易度が下がる
一般に入社をすることが困難である派遣先であっても、最初は派遣社員というカタチで入社するので、最初のハードルは下がることになるのです。
紹介予定派遣のデメリット
1.派遣先の選択肢が狭くなる
紹介予定派遣枠がある派遣先が前提となるので、選択肢は狭まります。場合よっては、すぐに見つからないこともあるでしょう。
2.派遣社員としての期間で終わることもある
派遣社員である期間中に見極めるのは、働く側だけではありません。派遣先となる施設でも、その派遣社員を直接雇用するべき人物かを見極める期間となるわけです。双方の合意がなければ、直接雇用の関係に至ることはできません。
3.正社員とは限らず、契約社員の場合もある
派遣先での直接雇用と言っても、正社員ではなく、契約社員の場合もあります。必ず派遣社員として働く前に、直接雇用契約においてどのような待遇であるのかを確認するようにしましょう。
4.選考時に試験がある場合もある
直接雇用になるため、派遣先となる施設も採用時に試験を設けることが可能です。直接雇用するのであれば、より良い人を採用したいという思いから、通常の派遣での選考よりも少し厳しい目で見られることになるでしょう。
紹介予定派遣について、勉強したカイナさん。
派遣というカタチであっても、現在は様々な形態があり、自分にはどれが合っているのかしっかり考えていこう!と転職活動への気持ちを新たにしました。